学生アルバイトの年収の壁を考える際、親が受けられる扶養控除には対象年齢によって複数の種類があることを押さえておく必要があります。特に2025年度税制改正以降は、19歳以上23歳未満の親族と、それ以外の年齢の親族とで、控除額の減り方の仕組み自体が異なります。この記事ではその違いを整理します。
特定扶養控除・特定親族特別控除(19歳以上23歳未満)
19歳以上23歳未満の親族は「特定扶養親族」として扱われ、学生年収123万円以下であれば特定扶養控除63万円が満額適用されます。国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」(2026-09-13確認)によると、2025年度税制改正で新設された特定親族特別控除により、学生年収が123万円を超えて188万円以下になっても控除は一気にゼロにはならず、63万円から段階的に逓減していきます。
19歳以上23歳未満の場合
学生年収123万円以下: 特定扶養控除63万円(満額)
学生年収123万円超188万円以下: 特定親族特別控除により段階的に逓減
学生年収188万円超: 控除額ゼロ
一般の扶養控除(19〜23歳未満以外)
19歳未満、または23歳以上の扶養親族については、一般の扶養控除が適用されます。所得要件は給与収入123万円以下、控除額は38万円です。特定親族特別控除のような段階的な逓減の仕組みはなく、所得要件である123万円を1円でも超えると控除38万円が一気にゼロになる「崖」のままです。
19〜23歳未満以外の場合
学生年収123万円以下: 一般の扶養控除38万円
学生年収123万円超: 控除額ゼロ(段階的な逓減はなし)
なぜ年齢で扱いが分かれるのか
特定扶養控除・特定親族特別控除は、大学生年代を中心とした教育費の負担が大きい年齢層を対象に、より手厚い控除を設ける制度として位置づけられています。2025年度税制改正では、この年齢層に限定して段階的な逓減の仕組みが導入された一方、それ以外の年齢層の扶養控除は改正前の崖のままとなっている点は見落とされやすい部分です。
大学院生など23歳以上の学生は対象外になる
23歳以上の大学院生などは特定親族特別控除の対象外であり、扶養に入れる場合は一般の扶養控除(所得要件123万円以下、控除額38万円)の対象になります。年齢によって扶養控除の種類そのものが変わる点に注意が必要です。
改正前(旧制度)との違い
改正前の制度では、19歳以上23歳未満の特定扶養控除も、学生年収103万円を1円でも超えると63万円が一気にゼロになる崖でした。2025年度税制改正により、特定扶養控除に相当する優遇はこの年齢区分に限って段階的な逓減の仕組みに置き換わりましたが、一般の扶養控除(19〜23歳未満以外が対象)については、崖のままという構造自体は改正前から変わっていません。この違いを知らないまま「扶養控除はすべて段階的になった」と思い込むと、対象年齢から外れるケースで誤解が生じやすくなります。
自分の年齢区分でどうなるか確認する
自分または家族の年齢区分に応じた控除額の目安を確認したい場合は、年収の壁チェッカーで試算できます。
本サービスは、学生アルバイトの年収と「年収の壁」(税金・社会保険)が世帯の手取りに与える影響を試算する参考情報であり、実際の税額・社会保険の適用可否を保証するものではありません。試算は2025年度税制改正に基づく令和7年分・令和8年分の制度を前提としており、社会保険料率・自治体独自の制度・個別の控除(社会保険料控除等)は簡略化して概算しています。住民税の扶養控除・特定親族特別控除相当額は一次情報で確認できていないため、所得税率とは別枠の簡易概算です。実際の手続き・最新の制度は、国税庁・お住まいの自治体・年金事務所・勤務先にご確認ください。(本ツールが参照した情報の確認時点: 2026-09-13)